セイバーメトリクスの世界

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こんにちは!粟飯原です。

6/27にプラスクラスの月一行事である社員飲みの一環として、横浜スタジアムに野球観戦にいきました。

yokohama

今年に入ってまだ野球観戦をしてなくて、すごく行きたかったのですが、インターンである僕は行けず。夏休みには絶対行くぞと決意しました!

というわけで、夏に入って野球もシーズン真っ盛りになってきたので、今回は野球についてのお話です。

野球?題名と全然関係なくない?と思った方もいらっしゃるかもしれませんが、より野球を楽しむための知識としてお楽しみください。

 

セイバーメトリクスとは

セイバーメトリクス(SABRmetrics)は、アメリカ野球学会の略称である「SABR」と測定法を意味する「metrics」を足した造語であり、1980年にビルジェームズが「野球についての客観的見地からの調査研究」と定義しています。

セイバーメトリクスは球団の経営・管理の視点による分析のため、チームの戦力を適切に評価し、今後の変化を予測することを目的としています。

日本ではまだそこまで広まっていませんが、メジャーリーグではセイバーメトリシャンと呼ばれる野球データを統計的に解釈してアドバイスを行う人が各チームに存在します。

セイバーメトリクスは、2011年に公開された映画「マネーボール」の中で、弱小貧乏球団を強くするための統計学的手法として取り入れられ、一躍脚光を浴びました。

 

セイバーメトリクスの考え方とは

ここからはセイバーメトリクスがどういった考えのもと、どういった指標を使っているのかについて説明していきます。

セイバーメトリシャンは「数値」を統計的に解析し、「勝利」を増やすための仕事です。

勝利を増やすために必要なこと、それは「得点を増やし、失点を減らすこと」です。野球は得点と失点からおおよその勝率を予測できることが知られています。

ピタゴラス勝率=(得点のx乗) ÷ {(得点のx乗)+(失点のx乗) } ※ x の値はリーグによって異なる(日本では1.64程度とされている)

そこで、セイバーメトリクスでは「プレーを得失点に変換する」という手法が多く使われています。

選手を評価する場合に、どの程度の得点増、失点減に貢献したのかと考えるのがセイバーメトリシャンの特徴です。

例えば、攻撃面、投球面、走塁面、守備面など総合的に評価し、控え選手に比べてどれだけ勝利に貢献したのかを示すWARという指標があります。

この指標は勝利という基準から、総合的に評価しているため、投手、野手それぞれを同じ土俵で比べることができます。

面白いのが、2013年に24連勝を達成した田中将大のWARが7.1に対して、西武の浅村英斗がその年で1位の7.5という値を出していることです。

このように、セイバーメトリクスの中ではファンが思っていたものと違う結果がデータから導かれることも多くあることを覚えておいておくと良いでしょう。

以下に主な指標について載せます。

【野手指標】

  • 出塁率:OBP = (安打+四球+死球) ÷ (打数+安打+四球+死球):アウトにならない確率
  • 長打率:SLG = 塁打 ÷ 打数:進塁を稼ぐ効率
  • OPS=出塁率 + 長打率:打者の総合的な得点能力
  • ISO=長打率 – 打率:純粋な長打力
  • wRAA=少し説明がいるため省略:チームにもたらす得点の多さ・少なさ

【投手指標】

  • 奪三振率:K/9 = 奪三振 × 9 ÷ 投球回数:他の選手に左右されない投手の純粋な能力
  • 与四球率:BB/9 = 与四球 × 9 ÷ 投球回数:ストライクをとる力
  • 被本塁打率:HR/9 = 被本塁打 × 9 ÷ 投球回数:大量失点のリスクを表す能力
  • FIP={被本塁打 × 13 + (与四球 + 与死球 – 敬遠 × 3 – 奪三振 × 2 }  ÷ 投球回 + リーグごとの補正値:守備の能力を除き、投手の能力を純粋に評価する指標

これらなどを総合的に評価した指標がWARに当たります。

 

最近のセイバーメトリクス

最近のビッグデータ化に伴い、セイバーメトリクスも徐々に進化し、最近ではトラッキングシステムと呼ばれる半自動的にデータを収集するシステムの導入が進んでいます。

特にメジャーリーグは、PITCH/XやFIELD/Xと呼ばれるトラッキングシステムが全球場で導入されています。

これは、球場に設置したカメラの映像やレーダーでボールや選手を追尾して、投球の変化量や回転量などを計測、守備のポジショニングの良さや、肩の良さの評価、また審判の精度の向上にも使われています。

PITCH/Xのデータから、例えば「キレのあるストレート」や「打者の手元で消えるスライダー」など今まで感覚的にしか球種の質について定量的に考えることが可能になります。

これらは、まだ日本では本格導入を進めている段階ですが、分析好きな日本人の資質と加わってより注目を集めるでしょう。

 

と、ここまでセイバーメトリクスを簡単に紹介してきましたが、僕自身研究室であるスポーツ × 統計学という分野で研究を行なっており、大変興味深い分野です。

より詳しく読みたい方は、『野球×統計は最強のバッテリーである』(中公新書ラクレ)(本ブログも参考にしました)を読んでみてください。

特に日本ではスポーツデータサイエンティストという分野が不足していると言われています。

僕もスポーツ好きという自分の性格と今の素養を活かした職種としては大変興味があります。興味を持った方はぜひご検討ください!